7月19日から夏の土用に入ります。一年に4回ある土用の中でも一番有名な土用ですね。
え?4回も土用があるの?と思われた方も多いと思います。
立春、立夏、立秋、立冬の前の16~18日間を土用といい、季節の勢いが最も盛んな時期とされることから昔からこの期間は農作業をしてはいけない期間とされていました。
19日から立秋の前日までの18日間が夏の土用。
土用の丑の日にはウナギを食べるのが一般的で、なんとなくウナギを食べる日が土用とインプットされているような現代ですが、「う」のつくものを食べるといいとか。ウナギ、うどん、ウリ、牛、馬などなど。
江戸時代、夏になると売り上げが落ちるうなぎ屋が平賀源内先生に頼み込んでアイディアをもらったのが始まりとか。
「土用丑の日」と書かれた大きな看板は人目を惹き、あっという間に広まったということです。
確かに季節の変わり目の直前である土用はそれでなくとも体調を崩しやすいときです。
特に夏の土用は長い梅雨を過ごして湿邪をため込んだ身体にさらに暑さが追い打ちをかけ、夏バテ状態になりやすい時期です。
(湿邪については)https://yousunwashoku.com/tsuyudokinoyojo/
この時期をどう過ごすか?貴重なたんぱく源でありスタミナ源でもありビタミンB群も豊富なウナギを食べる風習ができたのもうなづけます。
まずは食養生から。
この時期、身体の働きからいうと、脾胃の働きが弱くなります。つまり胃腸の働きが悪くなります。
軟便、下痢、口内炎、むくみやだるさなどの症状もでやすくなりますね。食欲がなくやる気もなくなります。エアコンの風もよくないことを私たちは経験的にも知っていますね。
この時期はまず暴飲暴食をやめて小飲、小食を心掛けます。口にするものは人肌程度の温かいものを。
小食にすると胃腸に隙間ができ元気が巡りやすくなり、消化も良くなります。
この時期のおすすめは夏の季語にもなっている甘酒。江戸時代より甘酒は夏バテの予防として庶民の間では親しまれていました。
飲む点滴ともいわれ、日本が世界に誇る発酵食品のひとつです。水で割って飲むと身体を冷やしすぎる元になるので、飲むというよりは甘味料として料理全般に使うことがいいですね。お味噌と半々に混ぜてお味噌汁にするのもGOOD。甘みのある美味しいお味噌汁ができます。
次に苦みのある食材。苦みは体内の熱を冷まし、解毒して外に出す働きがあります。
体内にこもった熱を冷ましイライラを鎮める効果もあります。
ゴーヤ、セロリ、緑茶、セロリ、菊花など。
ゴーヤのぬか漬けなどは夏バテ予防に最適といえますね。
酸味のある果物や野菜を食べることもおすすめです。特に汗をかきすぎたときなど。
梅、桃、キウイフルーツ、トマト、みかん、ブルーベリー。目にも楽しいフルーツたちがアイスやかき氷より夏の身体を潤し助けます。
梅干しも仲間にいれてあげようw
朝、酸味で引き締めて、苦みのある食材を取り入れながら日中は食後に温かい緑茶を一杯。緑茶は水出しにするとカフェインの量が少なくなるといわれています。
次に暮らしの養生
まずは自然のサイクルの中で生かされていることの大切さに気付き、逆らわないことが大事です。
朝は早朝から起き、夏の陽のエネルギーを取り込みましょう。
子供のころ毎朝行ったラジオ体操は今思えばいい習慣ですね。
漢方では「冬病夏治」という言葉があります。冷えが原因で悪くなる冬の病を夏に間に予防、治療するという考え方です。
そして自然界は夜は活動を休止する時間ですね。陰陽でいうと陰です。
できるだけ早めの夕食をとり、できれば夜8時(遅くとも9時)以降は何も口にせず、胃腸も休ませてあげることが大切です。
目も同じように休ませてあげましょう。
夕食の後はできれば照明を落とし気味にして陰のモードに入りやすい環境を作ることが大事です。スマホ、パソコン、テレビなどの光を避ける生活を。
間接照明やキャンドルの灯りもたまにはいいですね。
清少納言さんも言っています。肩軽し・・・じゃなくて
「夏は宵 月の頃はさらなり 闇もなほ 蛍の多く飛びちがひたる また ただひとつふたつなど ほのかにうち光りていくもをかし 雨など降るもをかし」
夏の宵の風流を楽しむ心と胃腸のゆとりが大事。
そして就寝前の2時間はスマホを見ないようにするのを目標に。遅くとも12時までには寝るようにしましょう。
な~んだ、早寝早起きってことか。と思われた方、そう、こんなシンプルなことが養生の基本です。